アクセシビリティカンファレンス福岡2023にて登壇させて頂きました。

Presentation Report Accessibility
Conference Fukuoka 2023 #fukuoka_a11yconf

急に寒くなりましたね。

数年前から秋を探している、どうも柴田です。

さて、先日()アクセシビリティカンファレンス福岡にて登壇させて頂きました。

アクセシビリティカンファレンス福岡2023
【情報保障版】アクセシビリティカンファレンス福岡2023

とてもとても濃厚な一日で、あらゆるアクセシビリティを感じることができました。

私は「Webアプリケーションアクセシビリティ ――今日から始める現場からの改善」の著者のお一人で、 freee株式会社伊原さんと、「ウェブアクセシビリティ社内教育のすゝめ 〜品質か、営業か〜」というタイトルで登壇させて頂きました。

私たちのセッションでは、「freee・サイバーエージェント・サイボウズ、 Webアクセシビリティに関する調査結果を公開」のアンケート結果をもとに、Webアクセシビリティの社内教育についてお話させて頂きました。

実際のセッションの内容については、アーカイブをご覧頂けたらと思います。

ウェブアクセシビリティ社内教育のすゝめ 〜品質か、営業か〜(柴田宏仙 ✕ 伊原力也)
【情報保障版】ウェブアクセシビリティ社内教育のすゝめ 〜品質か、営業か〜(柴田宏仙 ✕ 伊原力也)

ここでは自分のパートの中で伝えたかったことや、感じたことを書いてみたいと思います。

「もやもや」というキーワードを通して伝えたかったこと

今回のセッションの中で私は「もやもや」というキーワードを何度も使ってお話させて頂きました。

その「もやもや」を通して伝えたかったことは、主に以下の3点です。

  • Webアクセシビリティを知らないことで、無意識に悲しませてしまっているユーザーさんやクライアントさんがいるかもしれない
  • 1人でも多くのユーザーさんが利用できるWebサイトを構築することで、サイトの目標を達成する確率が0.1%でも向上しクライアントさんに喜んでもらえるかもしれない
  • ユーザーさんやクライアントさんを悲しませないように、1人でも多くのユーザーさんが利用できて、クライアントさんが喜ぶサイトを目指していれば、自然とどこかでWebアクセシビリティに出会うんじゃないか

これらが伝われば「人が喜ぶWebサイトを作りたい」、「良くないサイトは作りたくない」と考えられている制作者であれば、div要素だけで構築されているサイトを見ると「もやもや」する人になっていると思うからです。

少し具体的に書いてみます。

freee・サイバーエージェント・サイボウズ、 Webアクセシビリティに関する調査結果を公開」によれば、Web関連企業従事者807人の内、29.3%の方はWebアクセシビリティを「知らない」と回答していて、32.7%の方はWebアクセシビリティを「聞いたことはあるが、内容は知らない」と回答されています。

つまりWebに関わっている方達の62%の方が「Webアクセシビリティをよく知らない」という結果になっています。

Webアクセシビリティは住宅で言うと基礎工事のように表面的に見えにくい部分が多いため、重要性を感じにくく、この結果に繋がっているんだと思います。

ですが、基礎工事がしっかりされている土台があるからこそ、その上に建つ素敵な家の中で家族が安心して笑顔で生活することができます。

「Webアクセシビリティをよく知らない」ということは、無意識のうちに基礎工事をしっかりしてないサイトをユーザーさんやクライアントさんに提供してしまっている可能性もあるかもしれません。

「良くないサイトは作りたくない」と考えている制作者であれば、無意識にそういうサイトを作ってしまうことは避けたいと思っているでしょうから、ここに「もやもや」を刺激するツボがあると思います。

反対にいざという時(例えばブラウザの文字サイズ変更機能などを利用した時)にでも、自社のサイトがきちんと機能し利用できることに気づいたクライアントさんは、制作者に対して「そこまでしてくれているんだ」と喜んでくれるかもしれません。

また、そういう状況でも使えることを知ったユーザーさんが、そのサイトに与えられているゴールを達成すれば、成果に繋がる可能性だってあります。

「人が喜ぶサイトを作りたい」と考えている制作者であれば、そんな風にユーザーさんやクライアントさんの喜びを創造したいと考えているでしょうから、ここにも「もやもや」を刺激するツボがあると思います。

つまり、きっと1人でも多くのユーザーさんが笑顔で利用できる「人が喜ぶサイトを作りたい」と考えたり、ユーザーさんやクライアントさんを悲しませるような「良くないサイトは作りたくない」と考えていたら、いつか自然とWebアクセシビリティに出会うことになると思うんです。

だから、Webアクセシビリティを後から付けるのではなく、最初からWebアクセシビリティありきでWebの勉強をしていれば、自然とWebアクセシビリティを意識したサイトを構築する制作者になるんじゃないかなと思います。

こうやってWebを勉強していれば、きっと「もやもや」する人になっているんじゃないでしょうか。

アクセシビリティカンファレンスを終えて。

今回、アクセシビリティカンファレンス福岡に参加させて頂きたくさんの学びがありました。

会場をはじめ、配信や行動規範など、運営スタッフやボランティアスタッフの皆様がどこまでも配慮をして下さっていて、とてもアクセシブルなカンファレンスだと感じました。

また、他の登壇者のみなさんのセッションを聴いて、自分の知らない世界線の状況や、アクセシビリティのリアルを感じることができました。

まさに「ここにいる」を感じた1日でした。

ぜひ、みなさんもアーカイブをご覧頂ければと思います。

アクセシビリティカンファレンス福岡2023
【情報保障版】アクセシビリティカンファレンス福岡2023

そして、このカンファレンスをきっかけに、Webアクセシビリティのことを知り、興味を持った方や、これから実際に対策をしていこうと考えられている方は、ぜひ今回のカンファレンスの登壇者やスポンサーさんの書籍も一度手に取ってもらえたらと思います。

手前味噌ですいませんが、私の書籍もよかったら・・・。

またデジタル庁が公開している「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」もお勧めです!

今回、ここで得た知見は、今後のWebサイト制作に反映することはもちろんなんですが、今後のサロンの運営にもしっかりと反映して行きたいと思います。

Shibajukuでは普段からアクセシビリティを意識した内容で授業を行っていることもあり、このカンファレンスが終わった翌日の夜、サロン内でさっそくカンファレンスの感想を語る配信をしてみました。

そこで「みなさんが、Webアクセシビリティと出会ったのはどのタイミングですか?」って聞いてみたんです。

すると「Shibajukuに入るまでにスクールや、別のオンラインコミュニティに所属していたけど、アクセシビリティというものはShibajukuに入って初めて知った」という方が多かったんです。

改めて、62%の方が「Webアクセシビリティをよく知らない」という状況を、少しでも現場に入るまでに下げれる場所になれたらなと強く感じました。

そして今、Shibajukuの授業をリニューアルしようと考えているのですが、このカンファレンスで得たこともしっかりと反映できたらと思います。

もし、Shibajukuに興味があるWeb制作の初学者さんがいらっしゃいましたら、よかったらCAMPFIREのサロンのページを覗いてみてください。

最後になりましたが、実行委員長のゆうてんさんをはじめ、運営スタッフの皆様、スポンサーの皆様、ボランティアスタッフの皆様、一緒に登壇してくださった登壇者の皆様、そして、私たちのセッションをご清聴くださった皆様、本当にありがとうございました。

元祖泡系「博多一幸舎」の「味玉ラーメン」。黒い器の中に、クリーミーな泡のとんこつスープ、硬めの細麺、薄く大きなチャーシューが1枚と、味玉が1つ、刻みネギが乗っている。